鳥取県宅地建物取引業協会

宅地建物取引士

宅地建物取引士制度の概要

1.制度の概要

宅地建物取引業者は、宅地建物取引に関する知識及び経験を豊富に有する取引の専門家としての役割を果たすことが期待されています。このため、宅地建物取引業法は、単に免許制度を実施するに留まらず、一定の試験に合格した有資格者を宅地建物取引士として宅地建物取引業者のもとに置かなければならないとしています。宅地建物取引士となるためには、都道府県知事の行う宅地建物取引士資格試験に合格した後、その試験を行った都道府県知事の登録を受け、宅地建物取引士証の交付を受けなければなりません。なお、都道府県知事の登録を受けるためには、2年以上の実務経験等が必要です。

2.専任の取引士

宅地建物取引業者は、その事務所ごとに一定の数の専任の取引士を置かなければならないとされています。この一定の数とは、事務所については、業務に従事する者の数の5分の1以上の数、案内所等については、1名以上とされています。宅建業者本人が(その者が法人である場合は、その役員)が取引士であるときは、その者が自ら主として業務に従事する事務所等については、その者は、その事務所等に置かれる成年者である専任の取引士とみなされます。また、宅地建物取引業者は、一定の数の専任の取引士を置かない事務所等を開設してはならず、一定の数が不足した場合は、新たに専任の取引士を置くなど2週間以内に必要な措置を執らなければなりません。
→行政への届出は30日以内

資格試験

1.資格試験の実施概要

取引士になるためには、都道府県知事が行う宅地建物取引士資格試験に合格し、その知事の登録を受けたうえで取引士証の交付を受けなければなりません。それでは、試験はどのように行われているのでしょうか。
試験は、昭和62年度までは、各都道府県知事が実施していましたが、試験事務は、定型的なものが多く、行政機関としての裁量的判断を要するものが少ないため、行政の簡素合理化、民間活力の活用の観点から、一定の能力と公平な立場を有する民間団体を活用することが適当であるとして、昭和61年の宅地建物取引業法の一部改正により、試験事務を民間団体に委譲することができるようになりました。昭和63年度から全都道府県知事から委任を受けて一般財団法人不動産適正取引推進機構が指定試験機関として試験事務を行っています。

2.試験実施の内容

宅地建物取引士資格試験は、現在、一般財団法人不動産適正取引推進機構が試験事務を行っていることは、前述のとおりですが、各都道府県での願書配布、受験申込受付、試験監督等の試験事務は、さらにその都道府県にある公益法人等に委託されています。
試験は毎年10月の第3日曜日に実施されるため、受験案内書配布は7月上旬から行われ、受験申込受付は郵送とインターネットで7月中に行われます。

登録

1.2年以上の実務経験

宅地建物取引士として業務に従事するためには、都道府県知事が行う宅地建物取引士資格試験に合格し、その都道府県知事の登録を受けなければなりません。試験は、取引士となるのにふさわしい専門的知識を有しているかどうかためすものですが、さらに一定の欠格要件に該当しない者のみが登録を受けられるものとすることにより、取引士について一定の資質を確保し、あわせて監督の充実を図ろうとするものが、登録制度です。
従来、宅地建物取引業に関する実務経験が全く無い者であっても取引士の登録を受けて業務に従事することができました。しかし、顧客に対する重要事項や契約書の説明、登記簿や物件の現地調査などの業務を正確かつ円滑に行うためには、書物による知識だけでは不十分であり、実務の経験も必要と考えられるため昭和63年の改正により2年以上の実務経験がなければ登録を受けられないこととなりました。
具体的に、この実務経験としての期間の算出については、例えば、試験合格以前のものも通算でき、試験合格前に2年以上の実務を有する者は直ちに登録を受けることができますが、1年間の経験しか有しない者は試験に合格した後、さらに1年以上の実務の経験が必要となります。
実務の経験の内容としては、顧客との交渉、物件調査、契約書等の作成、代金・手数料等の授受、帳簿の記載等宅地建物取引に伴う一連の業務が考えられます。

2.実務経験に替わる講習会

国土交通大臣が2年の実務経験を有するものと同等の能力を有すると認めたものについては、宅地建物の取引に関する2年以上の経験が無くとも取引士の登録を受けることができます。具体的には次のとおりです。

  1. 国土交通大臣が指定する宅地または建物の取引に関する実務についての講習を修了した者
  2. 国、地方公共団体またはこれらの出資を伴い設立された法人における宅地または建物の取得、交換または処分に関する業務に主として従事した期間が通算して2年以上である者
  3. その他、国土交通大臣が2年の実務の経験を有する者と同等以上の能力を有すると認められた者

3.登録申請

宅地建物取引士資格試験に合格した者で、宅地建物の取引に関し2年以上の実務の経験を有するものまたは国土交通大臣がその実務の経験を有する者と同等以上の能力を有するものと認めたものは、37,000円の登録手数料を払って、その試験を行った都道府県の登録を受けることができるとされています。試験を合格した都道府県知事に対して登録申請書(様式第5号)により登録を申請します。ただし、次のいずれかに該当する場合は、登録できません。宅建業法は登録の基準を設け、取引士としてふさわしくない者については登録できないものとしています。